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道標 ~コンサルタントとの出会い~ vol.61 呼吸器内科(45歳)

2014年04月02日

大学医局を離れる相談を実家のクリニックを継いでいる兄にしました。医局人事に従っていては、今後 実家の手伝い(週1日の診察)ができなくなる事が明白であることに加え、大学医局において外様である自分が、劣悪な環境に我慢し続けることに意味はないと感じたからでした。一通り話をした後「それじゃ、一応話を聞くだけ聞いてみれば」ということで、ある紹介会社を紹介されました。兄は診療所を継ぐ前に、その紹介会社を通じて父の他界で急遽実家に戻るまでの最後の1年間、民間の一般病院で勤務医として働いていたのです。内容がデリケートな問題であり、迂闊に外部の人と相談することに不安を感じていた気持ちを察したのか、「色々な会社・色々なコンサルタントがいるみたいだけど、そこの人は良かったよ」と、当時の経験を語ってくれました。翌日、インターネットで検索してみると、紹介された会社だけではなく、多くの紹介会社が存在する事を知りました。どの会社が良いのかわからないまま、自分の希望に近い病院の求人を掲載している比較的大手と思われる会社と、兄からアドバイスを受けた会社に匿名で問い合わせを入れたところ、双方からすぐに返信があり、どちらもきちんと対応してくれている事がわかりました。エリアを限定した関係で、双方の提案病院はかなり重複していましたが、自分で選んだA社は、条件面を重視した対応で、兄から紹介されたB社は、医局問題やキャリア形成を念頭に、私の意思確認を重視されていました。しばらくやり取りの後、B社のコンサルタントS氏の方が経験豊富だと感じ、一度会って話をすることとなり、オフの日に近隣のホテルのロビーで待ち合わせをしました。初回の面談は約3時間に及んだと思います。自分自身の現状、今後の目標、現在考えている希望など、それほど考えていなかった部分も含めて問われるままに気持ちの整理が進んでいきました。面談の後半は、厳しい現実や自分の甘さについても指摘されたり、S氏の経験も交えた実例など、終わってみれば「あっというまの3時間」でした。その後、病院の選定、交渉、見学・面接と、並行して退職/退局の相談・準備も進めました。最後に勤務病院の決定・雇用契約書の作成と最終的な医局問題の決着まで、全てにおいてS氏の組んだタイムスケジュール通りに話は進み、最初の3時間とその後の密なやり取りで、最後まで意思の疎通に不具合を感じることはありませんでした。
最終的に選んだ病院は、希望条件をほぼ満たしているものの、少し遠いということと、自分の専門である呼吸器以外の診療も期待されている という不安もある病院でした。市内の求人環境は多少「供給過多」の様相で、希望条件を満たす医療機関は ほぼ皆無という状況だったのです。S氏いわく「今後プライマリケアは絶対に武器になりますし、将来実家のクリニックに戻った時の財産になります」「市内で渋滞するより、有料道路で、ストレスフリーで通勤して下さい」というものでした。
あれから5年。その間に結婚もし、子供も生まれ、プライマリケアは自分の武器になっているようです。現在、S氏に今後の事を相談しているところです。

呼吸器内科 医員
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